#(無題)
僕が 僕で あるために
僕は全てを捨てる事を 決意した
最後に 残ったのは醜い「 」...
#核浸
もう 誰も 失いたくないから...
大切な人を 失った
からっぽになった
心は日を追うごとに 少しずつ 再生していった
でも 時々 ふとした瞬間に それは出てくる
1度出てきたら それは 心の中を駆け擦り廻る
何とか また 閉じ込めて
何とか また 痕は消えてゆくけど
でも この繰り返しは 心の真ん中に 少しずつ近着いて
少しずつ 崩し始める
気付いていても 止められない
崩れる 崩れる 歪む 歪む
過去[カコ]は 不 満
現在[イマ]は 不 安
未来[ミライ]は からっぽ
#手紙
君が手紙をくれた
その時から 僕は 喜びと不安を感じた
不安は いつも付きまとう
いつ 嫌われるか...
いつ 見放されるか...
でもね 12月の君の手紙で
僕は 救われた気がした...
本当に 心からの温かさを...
これを聞いたら 君は笑うかな
そう これは 全て僕の思いでしかないのだから…
#楽園
今から私は旅に出ます。
誰も知らないところに向けて、
私だけの乗る電車は、
たった一枚の乗車券を受け取って、
ゆっくりと動き出しました。
街並はだんだんと進み、
その街並は、犬と散歩している人を飲み込みました。
それでも電車は早さを増して、
街並はついに灰色のカタマリとなりました。
仕方ないので、私は目線を空に映し、
空想の中をすすむ事に決めたのです。
そして電車は乗車券が切れるところまで行き着くのです。
そこが楽園であっても、あの街並であっても。
ゆっくりと速度をおとして、電車は止まり、
ゆっくりとドアが開いて行きます。
その先に私を待っていたモノは、
揺るぎなく存在し続ける 灰色の楽園でした。
終わり
#疑問符
なんで 生きてるの
そんなに頑張って どうするの
そんなに何もやらないで どうするの
なんで 君は生きてるの
#円路
余りにも色々ありすぎて 今思えば後悔も多くて
でも懐かしさに全てを委ねる事も出来ず
過去と現実のあいだで 今も もがき喘ぐ
変わった事は 君がいないコトと時間が過ぎたコト
変わっていない事は まだ僕が此処にとどまっているコト
#救い
感情の起伏と 波の音が僕等を飲み込むから
僕は 吐き気がして 逃げ出すことを覚えた
#魚
もう 吐き気しかしない
生臭い匂いに包み込まれて
みんな 白目を剥いて歩いてるの
#夢溜り
「夢」なんて叶わない願いにつかうものだから。
私の夢は世界幸福。
平和じゃなくて みんな笑っていないとダメなの。
だから、きっと叶わない。
一秒でも一瞬でも 世界中が笑顔だったら
それはきっと奇跡。
絶対に訪れない夢の瞬間。
「夢」を望むバカな私。
#逃走経路
追いかけられたら 逃げたくなるの
そんな理由で逃げてるんじゃないことわかるでしょ?
距離なんて最初から 電波の中
季節なんていまさら 遠い昔
早く忘れて欲しいと願う僕は
なにを切れば許されますか?
(こんな思いにさえなれない僕はもう )
#安楽
どうすれば 楽に生きられますか?
馬鹿な問いかけだと思われてもいいの
どうすれば肩の力が抜けるか わからない
どうすれば作り笑いをやめられるか わからない
きっとすべてを捨てれば楽になるの
きっと 楽になれるの
でも そうしたら"私"はどうなってしまうの
今までの私を馬鹿だと笑うかしら
#対峙
言葉を並べても 何も変わらないことくらいわかってる
音に発することを美しく感じるけど
そこに存在してしまう恐怖も感じる
書き落とすことで和らぐけど
そこに記してしまう汚さも感じる
大声で奇声を上げれば
言葉なんていらなくなるのか
押し殺して耐え抜けば
いつか諦めがつくのか
狂おしいくらい喉が痞える
#夢喰いは息絶えた
頭の中で誰かが叫ぶ
奇声を上げて 警鐘を鳴らす
今日もまた誰かがやってきて呟く
足を引き摺る 底を這う声
なににそこまで囚われているのだろう
なにがそこまで追い詰めるのだろう
別にこれと言った不幸も背負い込んでいないのに
平凡すぎる自分に厭きただけなのか
演じているなら頬を叩いて起こして欲しい
これが仮想じゃないのなら
希望などただの幻想
#世界の守り方
暗闇にまぎれて 涙をながそう
そうすれば 誰にも見られることはない
雑踏にまぎれて 大声で叫ぼう
そうすれば 誰にも届くことはない
少しずつ何かを隠しながら 今日も息をしよう
そうすれば 世界が穢れることはない
私の中の浄化装置が壊れてしまう前に
少しずつ私が消えていこう
#この街の情景
朝日に街は浄化される
きらきら光る街に 人が溢れ出し
笑い顔とともに 音が跳ね返る
燻ぶる卑屈な思いは 足元に拡がり
行き場のない思いが 人の背中を被う
そして 今日も 街は鈍色に濁り始める
#針の中
基本的に 棘を生やして とにかく自己防衛
すぐにボロが出るから 笑顔でカバー
勘違いして 近づかないで
ここに優しさなんてないんだよ 何見てんだよ
根本的に 疑ってみて いつでも疑心暗鬼
時々不安が漏れるから 睨んで威嚇
勘違いして 近づかないで
ここに強さなんてないんだよ 何したいんだよ
ここに本意なんてないんだよ どこ見てんだよ
ここに自身なんてないんだよ それで満足してろよ
ここは居場所じゃないんだよ
だからそれで納得してくれよ
だからもう諦めろよ
だからもう諦めろよ 自分
#フィルター
大丈夫 この世は嘘ばかりだから
そのうち夢も覚める
剥がれ落ちる醜く塗り固められた塊は
真っ黒な血溜りとなって
世界を汚すんだ
拭っても消えない跡が
今日も少しずつ重なって
いつのまにか視界は濁った
青色で耀く空も
緑色に色づいた葉も
黄色に咲き誇る花も
橙色のお気に入りの靴も
赤色に染まった君の頬さえも
悲しいくらい
今は濁って確かめられない。